グロリア (1980) : Gloria

『グロリア』(Gloria)は、1980年のアメリカ映画である。ジョン・カサヴェテス監督・脚本。ニューヨークを舞台にしたハードボイルドアクション映画。ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞。

監督:ジョン・カサヴェテス
出演:ジーナ・ローランズ、バック・ヘンリー、ジュリー・カーメン、ジョン・アダムズ、ジェシカ・カスティロ、バジリオ・フランチナ

 ・ prime video : グロリア (1980)

 ・ Apple : グロリア (字幕版) – ジョン・カサベテス

リュック・ベッソン監督の1994年の映画『レオン』と設定やストーリー展開が重なる部分があり、同作の「原型」とも言われている。
1999年にシャロン・ストーン主演でリメイクされている。

・ prime video : グロリア (1999)

Gloria : グロリア (1980)のストーリー

サウス・ブロンクスのあるアパートに、数人のライフルを持った男たちが、取り囲んでいた。彼らが狙うのは、そのアパートに住むジャック(バック・ヘンリー)を主人とするプエルトリコの一家だった。彼の妻ジェリ(ジュリー・カーメン)、祖母、そして10歳の姉と6歳のフィル(ジョン・アダムズ)らは、この物物しい事態の中でうろたえていた。実はジャックはある組織の会計係を担当しており、その組織の大金のありかをFBIに洩らしたことから、彼らに命を狙われるはめになったのだった。フィルら一家が恐怖に襲われている時、同じフロアに住むグロリア(ジーナ・ローランズ)という女性がドアをノックした。彼女は、コーヒーを借りにジャックの家を訪ねて来たのだが、その異様な空気を敏感に感じ取り、ジャックのフィルを預かってくれという突然の願いを聞き入れた。そしてさらにジャックは詳細の秘密を記したノートをフィルに託した。子供嫌いのグロリアが、いやがるフィルをつれて部屋に戻った瞬間、ジャックの部屋では大爆発が起き、グロリアは一家が惨殺されたことを知った。翌日の新聞では、グロリアが一家を殺し、フィルを誘拐したと報じた。

やがて、アパートを脱出した2人は、組織から追われる身になった。ひとまずリバーサイド・ドライブのグロリアの姉の部屋に身を隠す2人だったが、そこにも組織の手がのびたため、グロリアはある覚悟を決めた。グロリアと名のるこの女は、実はショーガール出身で、例の組織のボス、トニー・タンジーニ(バジリオ・フランチナ)の情婦だった女なのである。昔の仲間を敵にまわすはめになった彼女は、しかし、この6歳の少年を守ることに全てを賭ける気持ちになっていた。銀行から持ち金をすべて引き出し、フィルを連れてタクシー、地下鉄、バスを利用して、ニューヨーク中を、身を隠す場所を求めて逃げ回った。はじめは自分に冷たくあたるグロリアを「ブタ」と呼び、なじまなかったフィルも、今では完全に頼る気持ちになっていた。そして、高級ホテルに最後の本拠地をかまえた時には、フィルはグロリアを母のように慕っていた。この逃避行に決着をつけることを考えたグロリアは、遂にボスのタンジーニに連絡をつけた。そしてフィルに「3時間待って私が戻ってこなかったら、ひとりでピッツバークヘ行きなさい。そこで待っているから」と告げると、例のノートをもってタンジーニのマンションへと向かった。グロリアほ3時間たっても戻らず、フィルはひとリピッツバーグヘ向かった。不安な面持ちで約束の墓地を歩き回るフィルの前にやがて、1台のタクシーが止まり、中からひとりの老婦人が降りてきた。その老婦人こそ、変装して無事に駆けつけたグロリアなのだった。

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