Paper Moon (1973) : ペーパー・ムーン

『ペーパー・ムーン』(原題:Paper Moon)は、ジョー・デヴィッド・ブラウンの小説『アディ・プレイ』を原作とした、1973年制作のアメリカ映画。監督はピーター・ボグダノヴィッチ。
聖書を売りつける詐欺師の男と、母親を交通事故で亡くした9歳の少女との、互いの絆を深めていく物語を描いたロード・ムービー。シンプルな脚本で普遍的な映画を目指したという。
年間トップの興行収入を得、1973年の第46回アカデミー賞ではテータム・オニールが史上最年少で助演女優賞を受賞した。

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Paper Moon (1973) : ペーパー・ムーンのあらすじ

アディ(テイタム・オニール)は9つ。母親が自動車事故で亡くなった今、身寄りはミズーリにいる叔母だけだった。形ばかりの埋葬の場で、モーゼ(ライアン・オニール)は、牧師夫婦からアディを叔母の家に届けるように頼まれてしまった。アディの母は、酒場づとめをしていて、モーゼと深い関係にあったのだ。ついミズーリへ聖書のセールスに行くといってしまった手前、渋々引き受けざるをえなかった。しかし、彼は転んでもただで起きる男ではない。交通事故を起こした男の兄を訪ね、示談金200ドルをせしめ、その金でいままで乗っていたボロの30年型フォードを新車に買い替え、邪魔っけになったアディを汽車に乗せてポイしようとした。ところが、アディは眼から鼻に抜けるという言葉がぴったりのお利口さん。モーゼが200ドルカモるのを立ち聞きして、私のお金だから返してと主張する。返してくれなければ汽車に乗らないと。会ったこともない叔母の家へ行っても冷たくされるかもしれないし、それ以上になんとなく、このモーゼという男が気に入っていたのだ。近所のカミさん連中から、あんたのパパはモーゼかもしれないと聞かされたこともある。そういえば、アゴの線がそっくりだ。モーゼにしてみれば、いきなり母なし子の父にされてはたまらないけれども、金を使ってしまった以上、方法がない、子連れセールスといくよりしかたない。彼の聖書の売り方は、新聞の死亡記事を見て、未亡人を訪ね、彼女の名前を金文字で入れた聖書を見せて、亡くなったご主人に注文されて参上したとまくしたてる。ついホロッときた未亡人から、まんまと小金をせしめる、というやり方だった。やがて、車の中からこの方法を見ていたアディが口をはさむようになる。相手が金持ちとみればふっかけ、貧乏人とみればタダ、ヤバイとみればモーゼの手を引いてドロンという寸法だ。モーゼは彼女の才覚を見直した。父と娘のふりをすれば仕事もやりやすくなるというものだ。その結果、ボロかせぎはできたのだが、サギ道中で金廻りがよくなるとモーゼの浮気虫が動き出す。トリクシー(マデリーン・カーン)というストリッパーにのぼせ上がり旅の道連れにしたから大変だ。アディは、トリクシーの黒人のメイドと示し合わせ、手の込んだ作戦でトリクシーが別の男と寝るようにしむけ、それをモーゼに目撃させてキッパリとあきらめさせる。また2人きりの旅が始まった。次のカモは酒の密造屋だった。作戦はみごとに成功し、620ドルのあぶく銭を手にしたものの、執念深く追ってきた保安官たちに見つかってぶちのめされ、有り金を残らず巻き上げられてしまう。無一文ではどうしようもない。モーゼは今では別れがたくなっているアディを、近くの叔母の家に届けることにした。それは思っていたより優しい叔母や叔父だったが、でもアディは、モーゼと過ごした楽しい日々が忘れられなくなっている。思わず荷物をつかむと表へ飛び出した。道のずっと向こうにモーゼのオンボロ車が止まっている。「モーゼ!まだ200ドル貸したままよ。」モーゼがアディの荷物を受け取った。2人の行手には、白い道がどこまでも続いていた。

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