『ウォール街』(Wall Street)は、1987年公開のアメリカ映画。出世願望の強い若手証券マンと、冷酷かつ貪欲な投資家による企業買収を描いた金融サスペンス。
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時代を反映した内容が話題を呼び大ヒットしたことから、アメリカでは広く知られた映画であり、経済・金融の論評や記事で引き合いに出されることも多い。作品は実際のウォール街にも大きな影響を与え、主人公である投資家、ゴードン・ゲッコーに憧れて投資銀行に入社する者や、ゴードンのファッションを真似る者などが後を絶たなかった.
ゴードン・ゲッコー役のマイケル・ダグラスはこの作品でアカデミー主演男優賞を受賞している。一方でダリアン・テイラー役のダリル・ハンナはゴールデンラズベリー賞の最悪助演女優賞を受賞したので、この作品はオスカーとラジー賞を受賞した唯一の作品である。
2010年には続編『ウォール・ストリート』(Wall Street: Money Never Sleeps)が、再びマイケル・ダグラス主演で製作されている。
Wall Street (1987) / ウォール街のあらすじ
証券会社に務める営業マンのバド(チャーリー・シーン)は、貧しい生活に嫌気が差し、出世を夢見ていた。ある日バドは営業のために、投資家ゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)のオフィスを訪れる。ゴードンは始めバドに興味を示さないが、バドが父の務める航空会社”ブルースター・エアライン”の内部情報を話すと、ゴードンは興味を示し注文を取ることに成功する。
ゴードンはバドの功名心につけこみ、インサイダーを行うための情報収集を指示する。バドは友人の弁護士法人のオフィスに清掃員の監督として忍び込み、スパイ活動まで行って企業秘密をゴードンへ提供する。報酬を得てリッチになったバドは、ゴードンから紹介された美しいフランス人女性ダリアンと恋仲になり、高層マンションで同棲し栄華を極める。
バドは自分の企画として、父が務める経営破綻寸前のブルースター社の買収をゴードンへ提案する。始めは相手にしないゴードンだが、父が同社の労働組合幹部であり、組合員を説得したうえで買収できるとバドが強気に説得すると、ゴードンは買収を決める。
バドは父を含めた3人の組合長をゴードンに引き合わせる。ゴードンが買収のメリットを説明すると2人の組合長は納得するが、バドの父だけは投資家が金儲けのためにやることだと猛反発する。バドが説得するも父は「ゴードンは信用できない」と納得せず、親子喧嘩となり物別れに終わる。
買収はうまくいくと思っていたバドは、友人の弁護士法人を訪問した際、ブルースター社の経営再建会議に参加するよう言われる。会議でゴードンの嘘・欺瞞が判明し、バドは騙されていたことに気付く。ゴードンはブルースター社を再建する気など毛頭無く、同社を解体し航空機や設備を全て売り払い、従業員の年金積立金7500万ドルを自分の利益にする計画だった。状況を悟ったバドは落胆・憤慨し、ダリアンは家を出ていく。さらに父が病で倒れると、見舞いに訪れたバドは父に会社を救う事を告げ、ゴードンに対抗する計画を立てる。
バドは密かにゴードンのライバルである投資家、ワイルドマンのもとへ組合長たちを引き連れて訪れる。全従業員が給料20%カットに応じるのでリストラはしないことを条件に、ブルースター社の株が暴落した時にワイルドマンが買収する計画を持ちかける。航空会社を組合の同意のもと買収でき、かつゴードンを貶めることができる計画にワイルドマンは応じる。
決戦の日、バドは仕手戦を仕掛ける。バドが証券会社の同僚にブルースター社の株を買うよう指示すると、マーケットはすぐ反応し同社の株価は高騰する。ゴードンは「誰かが情報を漏らしている」と憤慨しながらも、高騰中の同社株を買い続ける。頃合を見てバドが同僚に売りの指示を出すと、売り注文が殺到し今度は株価が急落する。ワイルドマンの助言もあり同じことをもう一度行うと、取引終了間際ブルースター株は大暴落した。ワイルドマンは最安値で同社株を買い付け、それを知らないゴードンは逆に大引けの直前に持ち株を売却し大損を出す。
翌日のニュースで、ワイルドマンがブルースター社を買収したことを知るとゴードンは激怒する。一方、父の会社を救い、ゴードンにも報復できたバドは意気揚々と出社するが、社内には不穏な空気が流れている。自室に着くと、証券取引委員会のメンバーと警察が待っており、バドはインサイダー取引容疑で逮捕される。
後日、バドとゴードンは二人きりで面会する。裏切りに激怒するゴードンは、自分の指示どおり動かなかったことを叱責しバドを殴る。ゴードンが去った後、バドは近くの店に入る。そこに待機していた証券取引委員会の面々に、密かに録音していたテープを渡すと「君は正しいことをした」と告げられる。後日、退院した父の車で送られながらバドは裁判所に向かう。
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