天才的な野球少年は、運命のいたずらで、プロ入りを断念。16年後、35歳になった彼が、ルーキーとしてベンチ入りを果たし、低迷するチームに奇跡をもたらす。バーナード・マラマッドの1952年の小説『ザ・ナチュラル(en:The Natural)』を映画化した1984年のアメリカ合衆国の映画。ちなみにナチュラル(natural)は「天性の才能の持ち主」の意。キャスト:ロバート・レッドフォード、ロバート・デュヴァル、グレン・クロース、キム・ベイシンガー
The Natural (1984) : ナチュラルの概要
1920年代から1930年代のアメリカ合衆国を舞台に、天才野球選手と呼ばれながら不幸な事件に遭ったためにプロ入りできずにいた男ロイが、35歳にして「奇跡のルーキー」としてメジャーリーグで活躍することになる姿を描いた野球映画。
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The Natural (1984) : ナチュラルのあらすじ
1918年の春。ネブラスカの静かな草原。そこにはキャッチ・ボールをする父と子の姿があった。農民のエドは妻を亡くした後、幼いロイをずっとコーチし続けてきた。彼は生まれついての天才児で、投・打・守備のどれをとっても大リーグ並みのプレーをしていた。そんなロイの姿を幼なじみのアイリスは優しいまなざしでみつめていた。父親の死後、ロイは雷で2つに裂けた樫の木を削って手製のバットを作った。そして稲妻マークを刻み込み、そのバットをワンダーボーイと名付けた。
それから6年が過ぎ、20歳になったロイ(ロバート・レッドフォード)は、将来を誓い合ったアイリス(グレン・クロース)に別れを告げ、スカウトマン、サムと共に街を出た。キャンプに向かう夜行列車の中で、名物バッターとして知られるウォンボルト、スポーツ記者のマックス(ロバート・デュヴァル)、それに黒いドレスに身を包んだセクシャルな女ハリエット(バーバラ・ハーシー)の3人連れに合った。サムはウォンボルトに賭けを挑んだ。ロイなら君を3球3振にさせるぞ、と。勝負はその通りになったが、サムはロイのボールを受けそこね、後に心臓発作で急死してしまう。シカゴに着いてホテルに入ったロイの許にハリエットから電話がくる。彼女の美しい毒に気がつかないロイは、言われた通りに部屋に行く。その時、ハリエットの手に握られていた拳銃から火が吹いた。
--そして16年後のニューヨーク。常に下位で低迷しているニューヨーク・ナイツのベンチに35歳のルーキー、ロイ・ハブスが現われる。プロ経験のないロイを、監督のポップ・フィッシャーは冷たく扱うが、ロイのお陰でニューヨーク・ナイツは勝ち続け、野球界は奇跡のルーキーの登場で大揺れとなる。ナイツのオーナーである判事は、自分のチームが負ける方に賭けていたので慌て、マックス、愛人のメモ(キム・ベイシンガー)らを仲間に引き込み、ロイの秘められた過去を暴こうとやっきとなる。ロイはやすやすとメモの誘惑にのり、スランプ状態に陥ってしまう。
そんなロイの窮状を救ったのは将来を誓い合った幼なじみのアイリスであった。シカゴの巡業の時、彼女の家に立ち寄ったロイは、使い古しのグローブをみつける。それは彼女の息子のものだった。スランプから脱したロイの打棒が炸裂、優勝まであと1勝と迫った夜、早過ぎる優勝パーティが開かれたが、ロイは脇腹を抱えて倒れてしまう。かつてハリエットに撃ち込まれた銃弾が発見され、医者は優勝決定戦に出場するのは不可能だと忠告する。自分がいないとナイツは負けてしまう…。ロイは再起不能を覚悟で試合に出ようと思った。ところが判事やマックスは、ハリエットに撃たれた現場写真をロイにつきつけ、試合に負けて欲しいと裏取引を申し出る。試合の日、ロイは古傷の痛みに耐え、大ホームランを打ってナイツを優勝へと導く。数日後、とある田舎街の草原でキャッチボールをするロイとアイリスの息子の姿があった。その少年こそロイが20歳の時にアイリスとの間にできた子供だったのだ。そんな2人の姿をアイリスが微笑みをたたえて見つめていた。
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